イタリアはカプリ島でできたロマンティックな曲です。そして初めてオーケストラのストリングス・セクションのアレンジを書いた思い出の曲。ゆったりした16ビートのノリをピアノ一人でカヴァーするのは簡単ではありませんが、イントロのルバート部分(テンポの決まっていない自由なところ)はもともとソロなのでバッチリ弾けます。[B]からもゆったりと、波間に漂うような気持ちで左手のベース・ラインを弾きながら、美しいメロディを弾いてくださいね。アルバムではたっぷりとピアノでアドリブをして、後半盛り上がったところでは、そのアドリブ・フレーズをストリングスの人達にピアノと一緒に弾いてもらうというマジックが聴かれるのですが、これは私がまず先にバンドと録音した自分の即興フレーズを譜面に起こして、ストリングス用に書き直し、あとから録音してもらうという、ハービー・ハンコックとクインシー・ジョーンズの用いた手法から得たアイデアです。この譜面はそういう複雑なところは省いて、シンプルにしてあります。(国府 弘子)