今回はリストの「ハンガリー狂詩曲 第6番」に重ねてみました。随分趣の異なる2つの曲ですが、意外としっくりきてしまったので、アレンジしていても驚いています。民族色をだすために「君をのせて」のほうにはなかった、増2度進行をところどころ取り入れています。和声的短音階とはちょっと違う、その味わいも楽しんでもらえるとうれしいです。後半はオクターブの連続です。手を広げたままだととても大変ですので、可能な場所ですぐ力を緩め手首から先をブラブラにできるようにするのがポイントです。打鍵する瞬間のみ手を広げるつもり、という感覚でしょうか。また、鍵盤を下方向に打鍵する意識よりは上方向に常に鍵盤から軽くジャンプ、跳ねる、そういうつもり、そう考えていると力も緩みやすいような気がします。下方向には腕も手も勝手に落ちますからね。上への意識が大切です。華麗な演奏をお楽しみください。 （久木山 直）