[A]の上の段は右手での演奏を想定していますが、跳躍の幅が大きいため難しいと感じる場合、旋律音を左手で取り、右手は後打ちの高いミ♭音のみを弾くようにしていただくことも可能です。記譜した指使いはそのような左手での演奏を想定して（ ）で記しております。右手のみで弾く場合は指先を水平に移動する意識より、肩関節を軸にした回転運動ととらえていただくと余計な力みもなく割と跳躍が楽になるかと思います。[G]までは音量はpで軽く演奏できるとよいですね。続くフェルマータの部分をしっかり保ち、細かい装飾部分については焦らず、自由なテンポでエモーショナルに演奏してみてください。[H]からは旋律音をたっぷり響かせ8分音符の伴奏部分はバタバタしないように軽やかに演奏します。　[J]は全体にfの印象ではありますが、左手は各音を明確に出す意識より下降する運動性を強調するというイメージです。比較的小さめな音量で流れを大切にしてください。アクセント部分は一音一音をくっきりさせ、ここでfの印象を作るようにします。華麗な演奏をお楽しみください。 （久木山 直）