映画『花束みたいな恋をした』のインスパイア・ソングは、男女ツインヴォーカルの3人グループAwesome City Club(オーサムシティクラブ)の作品です。洗練されたお洒落なサウンドは、さらっと聞くとシンプルで心地良いですが、実は奥がとても深く、磨き抜かれた音で構成されているので、ピアノで演奏する際にも、たくさんの気配りや注意が必要です。基本的にはメロディを動かすこと(色付け)はせず、ハーモニーの中で音同士が微妙にぶつかり合う響きの時には、ピアノで演奏して安心できるかと、綺麗に響くかを重視してアレンジしているため、原曲と違う響きになっている箇所もあります。間奏部分もあくまで“ピアノ楽曲”としてたっぷり味わえるように作り込みました。モリシーのギターのみの伴奏で歌っているバージョンを、ぜひ動画サイトなどで視聴してみてください。歌の持つ魅力がギュッと凝縮されているので、音楽を解釈するのに役立つと思います。