ヒゲダンの名曲を、ややファンキーな感じのスウィングでアレンジしてみました。元々がグルーヴ感たっぷりな曲なので、ドラムなしでこの曲を料理するのは、書く側としても演奏する側としても、なかなかのチャレンジです。
　[C]で使われているような、4分音符が続く伴奏パターンは、ビッグバンドなどでよく使われる、ジャズギターの「フレディー・グリーン・パターン」をヴォーカライズしたもので、「The Singers Unlimited」や「Take6」といった、アカペラ界の大御所グループのアレンジでもよく使われています。一見簡単なように見えますが、これをグルーヴさせるのは簡単ではありません。コツは、2拍目と4拍目を強調して歌うこと、「doot」と「do」のシラブルをしっかり使い分けることです。メトロノームを半分の速度にして、メトロノームが2拍目と4拍目に来るように設定したうえで練習するとよいでしょう。
　サビの部分などで「字ハモ」（歌詞をハモること）を使っているところは、リードボーカルの声域の関係でリードの上と下、両方にハーモニーパートが書かれているところが多々あります。このパートが埋もれないよう、敢えて音量や声の質などが均一になりすぎないように注意してください。
　なお、このアレンジではベースパートにたくさんのスポットライトが当たっています。はじめのリードパート、[C]のファンキーなベースライン、[D]のウォーキングベース、iのひとり二役なラインなど、チャレンジが多々ありますが、普段はあまりスポットライトのあたらないベースパートですし（実は私もベースヴォーカリストです）、このチャレンジを楽しんで頂ければ幸いです。