この曲は、“高校の音楽の教科書に載っていた”、“伴奏しました”など、思い出を持っている方も、きっと多いはず。讃美歌作家のカール・フリードリヒ・ヘロゼーの10節からなる詩から、第3、4、6節を選び、1795年ベートーヴェンが25歳の時に作曲した傑作です。要約すると“君を愛している、君が僕を愛してくれるように。悲しみも苦しみも二人で分かち合えば、乗り越えられる。君に、僕らに、神の祝福がありますように ! ”といった内容でしたよね。とても清らかで穏やかな愛の歌。メロディに対して、ハーモニーの考え方がジャジーでありながらも、例えば［D］辺りの、祈りの歌のような短調寄りの湿度の高い響きや、原曲にはない新たなフレーズの線、希望やときめく明るい気持ちを表す［E］の伴奏型など、“愛”のイメージを豊かに広げながら、優しく包み込むような空気感を作ってみてくださいね。