この曲は四分音符＝154という高速テンポで目まぐるしく進んでいきますので、ついついテンポに追われた演奏になりがちです。細かい箇所に対しての部分練習をしっかりと行った上で、リズムをつけて演奏する際は「まずはゆっくりとしたテンポで練習し、弾けるようになってきてから徐々にテンポを上げていく」という練習を行いましょう。特に、1曲とおして登場するL.K.の8分音符バッキング（[C]、[D]、[F]）のリズムの正確さ、歯切れのよさや、C15～16小節目に登場するU.K.のスケールにおける滑らかな動きに関しては、焦らずにじっくりと練習に取り組むとよいでしょう。[E]は一旦落ち着きを見せる場面ですので、表記されたスラーをしっかり守りつつA.T.も使い、深い表現を心がけるとよりよい演奏になると思います。 （坂井 知寿）