やさしい風が

(作者より)
この曲は校区にあるこども園の音楽指導をされている先生から「小さい子どもたちがみんなで歌える曲」というリクエストをいただいて書いた曲です。音楽会の最後にみんなで歌える曲を……ということでしたので、いつも一緒に遊んだり活動したりしているお友達と、笑顔で温かくのびやかに歌っている姿をイメージしてつくりました。小さい子どもたちがみんなで声を合わせて歌うとなると、ついつい大きな声を張り上げて歌ってしまって、結果余計な力が過度に入って音が取れなかったり、みんなと合わせることができなくなったりすることがあります。だからといって幼い子どもたちにすべて頭声的な発声で……というのは逆に不自然で無理があるように思えます。低学年のうちは、いろいろな声を出す経験をしてもらえるのがいいかなと思っています。その曲の雰囲気に合う声で、曲の世界に入り込んで歌えたらすてきですね。
この歌は友達の声を聴きながら優しい気持ちで歌ってほしい曲です。どんな声で歌うか、みんなで考えるのもいいですね。8分音符の刻みが、2拍ずつの優しい横揺れになるように感じてもらいたいです。呼びかける人もこたえる風も実はどちらも子どもたち自身です。呼びかけた後の風の声は、自分がやさしい風になった気持ちで歌ってください。
??のサビの部分は少し高い音になっています。無理のないやわらかい声でのびのびと歌いましょう。速さもゆっくりの斉唱ですので、歌いながら周りの音をよく聴いて、自分の声と友達の声とピアノの音が合わさる楽しさをじっくり味わいながら歌ってほしいです。
みんなのつくる「やさしい風」で世界を包み込むように。