ドラマティック・レイン

1982年に稲垣潤一の3作目のシングルとして発表された歌です。嗅覚までもそっと刺激してくるような繊細な描写と、稲垣潤一の透明感のある歌声も相まって、深く記憶に刻まれる名曲です。さっと聴いただけでは、さほど凝った手法も使わず弾きやすいシンプルな内容に思えそうですが、ピアノスタイルならではの上級者向けアレンジに仕上げました。この時代の特徴的なリズムも、さり気なく取り入れたり、ベースの動きも真似てみたりしながら、原曲の再現はもちろんのこと、ピアノ楽曲ならでの心地良いサウンドを狙って色付けしています。例えば、イントロでは印象的なリズムのフレーズの後ろにある、大きな流れるカウンターラインは外せないですし、短い間奏の［F］も、モヤのかかったようなハーモニクス風の音を、ピアノらしい弾き方に置き換えて楽しむようにアレンジしています。もちろん、終わり方もフェードアウトではなく、原曲から離れすぎないエンディングをつけています。アーティキュレーションなどは、多少大袈裟なくらいつけて丁度よく聴こえてくるので、そのように扱ってみてください。