春の海-Jazz Funk ver.-

※この楽譜は『2008年3月号から2023年4月号まで「月刊エレクトーン」に掲載されたアレンジスコア』より再収載しております。
楽譜内にある音色名、操作手順などはそのまま表記しております。

新年と言ったら必ずと言ってよいほど流れる曲、と言うよりむしろこの曲が新年を運んで来ると言ってもよいかもしれません。そんな日本人の心に深く染み込んだ「春の海」。お琴と尺八といういかにも日本の伝統的な曲という感じがしますが、作曲年代は比較的新しく、意外にも世界中で親しまれている名曲です。ヨナ抜き音階と言われる日本の五音音階は、実はジャズとの相性がとてもよいので、当アレンジでは、旋律を重ねることで音色を豊かにしたり、リズムを補強するという役割を担う日本の伝統音楽に対して、西洋音楽的なハーモニーと重厚なグルーヴを感じさせるリズムをつけることで、ハイブリッドなイメージに仕立て上げてみました。イントロは原曲の雰囲気を残し、その後は全面的にジャズファンク風のアレンジにしました。[A]や[C]のキメのリズムは、アクセントを意識しすぎると16分ウラのリズムが前に突っ込みやすくなるので、ドラムのタイミングと縦を合わせられるように、リズムをよく感じて演奏しましょう。[D]の右手のアドリブのフレーズは、あまりハネすぎず、少し後ろにもたれるような感じで演奏できるとぐっと大人の雰囲気になるので、挑戦できる人はぜひやってみてください！（高田 和泉）