オーボエ協奏曲より第1楽章 KV314(K.285d)

今回は新しいバージョンで載せました。現在、モーツァルトに限らず、さまざまな作曲家の作品が研究者たちによって、「果たして現在残っている楽譜が本当に正しいのか」、また、「間違った形で残された可能性があるならば、本当の形はどうであったか」という研究がなされています。その流れの中で、モーツァルトのオーボエコンチェルトは、おそらくこの形が本当であっただろうという一つの結論を、ドイツのオーボエ奏者、インゴ・ゴリツキ氏が導き出し、現在、世界中でこのバージョンで演奏される機会が増えています。この曲は古典派なので、基本的にトリルは上から入れます。しかし、例外があって[B]の9小節目のように前の音がトリルの開始音と同じ場合、普通にその音から入れてもかまいません。また、[C]の5小節前とその次の小節、[E]の7小節目、[F]の5小節前とその次の小節もその音からトリルを入れた方がよいでしょう。全体にスタッカートは歯切れよく、apertoな感じを大事にしましょう。
※この楽譜は、ピアノ伴奏譜付きです。