ブラジル音楽はジャズに最も大きな影響を与えた音楽のひとつ。そんなブラジル音楽の基本ともいえるサンバは、ジャズの中にも広く浸透しています。
　サンバは通常2分の2拍子ないしは4分の2拍子で表記されることからも分かるように、「ワン、ツー、ワン、ツー」というように「2」の単位で感じる音楽ですので、このアレンジも最終的には「2」で感じながら歌えるようになるのが目標です。とはいえ、サンバのリズムはシンコペーション（音符が半拍前倒しになること）が多く、サンバに慣れていない人が練習時から「2」で感じようとすると、リズムが曖昧になってしまう恐れがあります。はじめはテンポを落として「4」で指揮しながら練習し、きちんと歌えるようになったら「2」で拍を取って歌う、というプロセスを追ってみてください。また、全体的にひとつひとつの音符を重たくせず、軽くスタッカート気味に歌ってみると雰囲気が出てくると思います。
　なお、このアレンジは日本語で歌うことを前提として書かれていますが、英語の歌詞も下に併せて表記してあります。英語で歌う場合は、日本語で歌う場合よりも多少シンコペーションを増やして、１拍目に来る音をいくつか、半拍前倒しにしてみてもいいでしょう。（58、60小節目の「ever」や94 小節目の「song」などがいい例です。）いろいろトライしてみながら自分たちのテイストでアレンジを加えていく作業も、ジャズの持つ「自由度」の素晴らしさのひとつなのです。