パガニーニはイタリアのヴァイオリニスト、作曲家で19世紀前半にヨーロッパ中に「ヴァイオリンの魔術師」と言われた人です。彼の演奏を聴いて感激したリストはパガニーニのヴァイオリン曲をテーマにして「超絶技巧練習曲集」というピアノ曲を作曲しました。後には、ブラームスも同じテーマでピアノの変奏曲を作曲しています。そして、20世紀に入ってラフマニノフはこのテーマでピアノと管弦楽による「パガニーニの主題による狂詩曲」を自らピアノを弾いて初演しました。これらの大家の作品はいずれも名曲ではありますが、大変高度な演奏技術を要します。しかし、元になるテーマはいたって単純素朴なものです。そこで、テーマにふさわしく、誰にでも気軽に手が出せる曲をと思いこの曲を作曲しました。主題から、1バリエーション置きに緩急の表情がありますので、それぞれの曲想を把握して弾いてください。特にVar.6は指使いを考えて、フレーズが切れないように心掛けましょう。