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作曲をはじめてみよう! 第5回 ~アーティストの作曲術を学ぶ②~

作曲をはじめてみよう! 第5回 ~アーティストの作曲術を学ぶ②~ 作曲をはじめてみよう! 第5回 ~アーティストの作曲術を学ぶ②~

好きな曲を演奏できるようになったら、次は自分だけのオリジナル曲を作ってみませんか?
この特集では、作曲未経験の方でもすぐに実践できる作曲テクニックをご紹介します。

最終回となる第5回は「アーティストの作曲術を学ぶ ②」。
前回に引き続き、書籍『ポール・マッカートニー作曲術』(ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス)より、今回はポールのコード進行におけるテクニックをご紹介。コードの基礎知識については第3回でも触れていますので、あわせてチェックしてみてください。




まず、ポールらしさ=ビートルズっぽさを表現できる基本のコードテクニック(マッカートニー・コード)をいくつか紹介します。わかりやすくハ長調で紹介しますが、度数表記という汎用性のあるコード表記も参考として併記します。

最重要マッカートニー・コード「♭Ⅲ、♭Ⅵ、♭Ⅶ」

「♭Ⅲ、♭Ⅵ、♭Ⅶ」のコードとは、長音階(メジャー・スケール)の主音から数えて、短3度(♭Ⅲ)、短6度(♭Ⅵ)、短7度(♭Ⅶ)……の音を根音にしたメジャー・コードのことです。ハ長調で言えば、E♭、A♭、B♭の各コードとなります。

このコードを使うと、その部分のサウンドが突然、ビートルズっぽく、ポールっぽく薫るのです。本書では、「マッカートニーのフラットⅢⅥⅦ(367)」と呼ぶことにします。

ハ長調のマッカートニー・コード
譜例1 ハ長調のマッカートニー・コード

譜例1の上段は、通常のハ長調長音階(「ドレミファソラシド」)の上に3度ずつ音を重ねたダイアトニック・コードです。ドから数えた音程(完全1度、長2度……)と度数表記(ディグリーネーム=Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ……)が書き込んであります。

ポイントは譜例下段。ミのフラット(短3度=♭Ⅲ)、ラのフラット(短6度=♭Ⅵ)、シのフラット(短7度=♭Ⅶ)の上にあるコードE♭、A♭、B♭がポールのサウンド・スパイス(マッカートニー・コード)なのです。楽器をお持ちの方は、「C-Am-F-A♭」や「F-G-A♭-B♭-C」を弾いてみてください。その響きのポールっぽい感じがわかると思います。

ポールなサブドミナント・マイナー「Ⅳm」

譜例1のⅣはメジャー・コードですね。このコードは、理論的にはサブドミナント(下属和音)と呼ばれています。これをマイナー・コードにしたものがサブドミナント・マイナー(Ⅳm)です。メジャーの曲の途中にマイナー色の強いⅣmを響かせることで、曲想をガラッと変えることができるのです。

ポールはこの響きが大好きです。ニュアンスとしては、明るい曲想の中に、瞬間の寂しさや切なさ、儚さなどを挿入する感覚です。具体的には、ピーター&ゴードンに書いた「A World Without Love」、ソロ作品の「Junk(ジャンク)」などのミドル8(=Bメロ)の進行が挙げられます。

浮遊感の2度メジャー

「曲を書き始めた頃に影響されたのはバディ・ホリーの3コードの進行」と語るポール。(Aメジャーの3コード)A、D、EにB7を加えることを思いついたそうです。若き日のジョンやポールにとって、コードは知識や理論で覚えるものでなく、コードひとつひとつの響きが新発見であり、大発明だったのですね。

さて、このB7はAメジャー・スケールの2度のセブンス・コードにあたります。ポールはこの2度のセブンスをダブル・ドミナントとしてではなく、「A-B7-D-A」のように、主和音(トニック)から浮き上がるような浮遊感のあるコードとして活用しました。Cメジャーで言えば、「C-D7-F-C」のD7ですね。そう、「You Won’t See Me( ユー・ウォント・シー・ミー)」「Eight Days a Week」などで使われているコードです。7thはあってもなくてもかまいません。Cメジャーで浮遊感の2度メジャーの応用例を以下に紹介します。どの進行もベースのペダルポイント(持続低音)がぴったりきます。

C-D-F-C(基本進行) 
C-DonC-FonC-C(ペダルポイント)
C-D-E♭-F(ロックなバリエーション)
C-DonC-E-onC-FonC(ペダルポイント)
C-D-Gm7-C(エスニックっぽいバリエーション)
C-DonC-GmonC-C(ペダルポイント)

音階や半音で下行するベースラインのテクニック

ポールは、アルバム『Chaos and Creation in the Backyard(裏庭の混沌と創造)』の「English Tea(イングリッシュ・ティー)」の解説で、プロコル・ハルムの「A Whiter Shade of Pale(青い影)」やバッハの「Air on the G String(G線上のアリア)」などを例に挙げて、下行するベースラインは「ヒット曲を作るヒント」であり、「恥ずかしがらずに使うべきだ」と大絶賛しています。

「English Tea」は、下記のコード進行を見ていただければわかるように、ベースを見事に半音で下行させています。

半音下行のベーステクニック
譜例2 「English Tea」の半音下行のベース・テクニック

楽器や音楽ソフトなどで鳴らしてみると、ポールの言った(下行するベースの)不思議の国が体験できると思います。

「Hey Jude」のミドルの進行を見てみましょう。キーはFメジャー、そのサブドミナント(4度)であるB♭からスタートします。

B♭/B♭onA-Gm/Gm7onF-ConE/C7-F

ベースラインは、「シ♭-ラ-ソ-ファ-ミ」と音階で下がっています。ハ長調で考えれば、「ファミレドシ」とベースが下がっていることになります。

「Her Majesty(ハー・マジェスティ)」のAメロは、楽譜などでは2小節間Dメジャーになっているものもありますが、実際は「D/DonC#-DonB/DonA」とベース音のみ下行しています。

ポールならではの個性的なコード進行を紹介します。実際の曲の小節数などとは関係なく、コードのつながりを重視した表記にしてあるので、自由に応用してください。コード進行は元の調、ハ長調またはイ短調、度数表記の3タイプで紹介します。原曲そのままではなく、応用しやすい形に整理して記載しています。

なお、短調の度数表記は平行長調の度数で紹介しています。二重下線はマッカートニー・コードです。

Eight Days a Week風ビートル・ポップ進行

【Key:D】
D-E7-G-D
【Key:C】
C-D7-F-C
【Degree】
Ⅰ-Ⅱ7-Ⅳ-Ⅰ

もっともビートルズっぽいコード進行のひとつで、「Eight Days a Week」のAメロや「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」で使われています。「Eight Days a Week」のイントロでは、「D-E7/D-G/D-D」というペダルポイントの進行になっています。

Hello, Goodbye風超ポップ進行

【Key:C】
C-ConB-Am-ConG-F-A♭
C-ConB-Am-ConG-F-B♭
【Degree】
Ⅰ-ⅠonⅦ-Ⅵm-ⅠonⅤ-Ⅳ-Ⅵ♭
Ⅰ-ⅠonⅦ-Ⅵm-ⅠonⅤ-Ⅳ-Ⅶ♭

「Hello, Goodbye」のサビの進行。ここにはポールの得意技が3つ隠れています。最初は、ベースが「ドシラソファ」と音階で下がっていくパターン。バラードからポップな作品まで、ベースの下行の威力は絶大です。「Hey Jude」のミドルのコード、「For No One」のAメロ(上記下段のコードとほぼ同じ)などが有名です。

次に、上段6つ目のA♭のコード。これは、マッカートニー・コードである♭6度(Ⅵ♭)メジャーですね。Fmの代理コードと考えられます。最後は、下段の6つ目、B♭メジャーのコード。これは、♭7度(Ⅶ♭)というコードですね。ポールは、1回目と2回目の最後のコードを変えることで、絶妙な効果を演出しています。

Magical Mystery Tour風サブドミナント・マイナー進行

【Key:D】
D-D7-G-Gm(D-D7onC-GonB-Gmon-B)
【Key:C】
C-C7-F-Fm(C-C7onB♭-FonA-FmonA♭)
【Degree】
Ⅰ-Ⅰ7-Ⅳ-Ⅳm(Ⅰ-Ⅰ7on♭Ⅶ-ⅣonⅥ-Ⅳmon♭Ⅵ)

「Magical Mystery Tour(マジカル・ミステリー・ツアー)」のBメロ(0:32~)のコード進行です。( )の中は、ベース音を2度下行するパターンです。

ジョン・レノンもこの進行が好きで、「Lucy In The Sky With Diamonds(ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ)」のAメロで応用しています(キーはAメジャーでベースを下行させるパターン)。また、度数表記で言えば、真ん中のⅣから始める(Ⅳ-Ⅳm-Ⅰ-Ⅰ7)という進行もカッコよく、サビなどで使うことができます。

今回はここまで。
全5回でお送りしてきました作曲特集、いかがでしょうか。これをきっかけに、少しでも作曲に興味を持っていただけたら嬉しいです。
もっと詳しく知りたくなった方は、ぜひ書籍もチェックしてみてくださいね。

ぷりんと楽譜はこれからもみなさまの素敵な音楽ライフをお手伝いいたします!



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